神道的生活〜神道とは生きることと見つけたり

神道とは、人生を充実させることと見つけたり

饒速日尊が授けられた神の証『十種神宝』とその意味を解説します!

日本神話に出てくるアイテムとして有名なのは、三種の神器ですよね。

天叢雲剣八尺瓊勾玉八咫鏡の3つをまとめて三種の神器といいます。

皇位継承の際に使われたもので、ご存知の方も多いのではないでしょうか?

 

しかし今回ご紹介するのは、三種の神器ではなく「十種の神宝(とくさのかんだから)」。

正式には「天璽瑞宝十種(あまつしるしみずたからとくさ)」と呼ばれています。

 

実は、この十種の神宝に関しては、「古事記」「日本書紀」の記紀には記述がないのです。

その辺も含めてご紹介をしていきますね!

 

「十種の神宝」をわかりやすく説明します!

さて「十種の神宝」とはなんでしょうか?

読んで字のごとく、十種類の神から授かった物品という意味です。

その十品とは、

奥津鏡、辺津鏡、八握剣、生玉、足玉、死返玉、道返玉、蛇比礼、蜂比礼、品物比礼

 になります。

この後の章で詳しく説明していきます。

 

この十種類の神宝は、饒速日命ニギハヤヒノミコト)が高天原から天降りするときに、天神御祖(あまつかみみおや)から授かったものです。

 

ちなみに饒速日命は、瓊瓊杵尊ニニギノミコト)よりも先にこの日本の地に降り立ったといわれています。

古事記」「日本書記」の2つには記載はありませんが、「先代旧事本紀」に登場するのですね。

ニギハヤヒは、天照大御神=天神御祖から十種の神宝を受け取った後、河内国大阪府交野市)に天磐船で天降り、大和国奈良県)に移動しました。

 

それでは、十種神宝の中身を見ていきます。

 

「十種の神宝」には何があるの?その意味は??

鏡2種、剣1種、玉4種、比礼(女性が首に結ばずに掛け、左右から同じ長さで前に垂らすスカーフ様のもの)3種となる。

十種神宝 - Wikipedia

 

 

いずれにせよ、十種神宝のそれぞれのアイテムには意味があります。一つ一つをこれから解説していきます!

 

 

①奥津鏡(おきつかがみ)

奥津鏡とは遠くにある鏡という意味です。

奥津=沖ということですね。

古代は神の世は海や山の向こうにあるのではないかと考えられていました。

海の向こう側を照らす鏡というのは、つまり神の世を照らすということ。

 

自分の先祖霊、ひいては神様につながる心を意味しています。

先祖霊や神様を照らし出し、拝むというお意味があります。

 

 

また、太陽=天照大御神の分霊とする説もあります。

 

②辺津鏡(へつかがみ)

辺津鏡とは、近くにある鏡という意味になります。

辺津とは浜辺を指しています。

海の向こうの神様を表す「奥津」に対して、「辺津」はこの世や現世の事柄を表します。

 

辺とは近いという意味があり、自分の近くに置いて常に自分を見つめ磨いて、拝むことを意味しています。

 

この奥津鏡と辺津鏡の2つがセットになることで、神人合一が達成されます。

 

③八握剣(やつかのつるぎ)

剣は武を象徴します。

また剣は「貫くもの」ということで、信念を貫くということもあらわしています。

 

つまり、武を象徴するものと言っても、ただただ武を振り回して暴れるジャイアンではいけません。

 

信念のもと、それを邪魔するものを薙ぎ払うという武力でなければならないのです。

映画版のきれいなジャイアンでなくてはなりません。

 

自分の信念という剣で、邪魔するものを貫くイメージですね。

 

④生玉(いくたま)

肉体の中に、生きる魂や霊魂を入れる玉のことです。

肉体だけでは「生きること」にならず、聖なる生魂が入って初めて生命に創造的な働きが生まれると考えられていました。

 

また、生魂は神様とつながっていることから、人と神様をつなぐ玉という意味もあります。

 

⑤足玉(たるたま)

物質的な肉体を持つ人間として、周りの環境が整っていなければ生きてはいけません。

その周りの環境が、生きるに足るように取り計らってくれるという意味合いを持ちます。

人間関係や衣食住から自然環境まで、すべての自分を取り巻く環境が、生きるに足るように祈る心をもちます。

 

⑥死返玉(まかるかえしのたま)

死んだ魂を生き返らせる効果を持つと言われています。

ニギハヤヒ天照大御神から十種の神宝を授かった時に、「ひふみ祓詞を唱えながら、ゆらゆら(由良由良)とふってみなさい」とアドバイスを受けたそうです。

「ひふみ祓詞」

一二三四五六七八九十、布留部 由良由良止 布留部(ひと ふた み よ いつ む なな や ここの たり、ふるべ ゆらゆらと ふるべ)

 

また、肉体的に死んでも、エネルギーや霊的には死んでいないという真理が根底にあると言えます。

 

他者の死を悲しみ、故人を想うことで、死者の魂とつながることができるという考えを見ることができます。

 

⑦道返玉(ちがえしのたま)

道に戻す玉と書いて、道返玉となります。

心や精神、魂や肉体になにか故障が起こっていたり、その発達に支障がある時に、それを通常の道に戻すという効果があります。

つまり、心身や道徳的、社会的なところで道から外れた時に、道に戻してくれるということです。

 

これは自分が道を外れた時のみならず、他人に対しても効果があるそうです。

 

⑧蛇比礼(おろちのひれ)

比礼とはスカーフのようなものですが、ヘビや害虫などから身を守る呪力を持つと信じられていました。

日本神話の別の話でも、須勢理比売命(スセリヒメノミコト)が、夫のオオナムチに「これを三回打ち振って、蛇を払ってください」といって蛇比礼を渡したエピソードがあります。

 

ここでは、蛇のような地を張ってくるような物質的な障害を追い払い、身を守ることを意味しています。

 

蛇というと、脱皮をすることから生き返り=生命力の象徴ともされています。

同時に、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の話にもあるとおり、水害などの災害や災厄をも意味しています。

 

生命を災害から守る、そういった効果が蛇比礼にはありそうですね。

 

⑨蜂比礼(はちのひれ)

蛇比礼の項でも説明した通り、比礼には害虫を追い払う呪力があります。

 

蜂は「天翔る虫」であり、天を駆ける聖霊として考えられていたそうです。

ここでは、天翔て押し寄せる、いわば精神的・スピリチュアル的・霊的な災厄や障害などを打ち払う効果があるとされています。

 

⑩品々物比礼(くさぐさのもののひれ)

物というのは、「兵器」を意味します。

この品々物比礼というのは、人がもたらす災厄や悪人侵攻を払い、身を守る役割があります。

 

もともと、この十種神宝は「先代旧事本紀」という書物に掲載されたエピソード。そして先代旧事本紀の編纂には、物部氏という一族が大きく関わっているのです。

物部の一族は、もともとヤマトの建国時には兵器や兵士を取り扱っていた一族ということ。

 

なので品々物比礼とは、物部一族にとって一番縁が深いアイテムなのかもしれませんね。

 

物部氏の神社にあった十種神宝。今はどこにあるの?

 

もともとは奈良の石上神社にあったとされています。

石上神社のもとを辿ると、物部氏に行き着きます。

 

先ほども申し上げた通り、物部一族が関わった先代旧事本紀にのみ記載があるこの十種神宝は、物部氏に非常に密接な関係があるアイテムなのです。

だからこそ、物部氏の子孫である石上氏が保管して祀っていたのですね。

石上神社では布留御魂神というものを奉っており、これを十種神宝とする説があるそうです。

 

ですが。

 

今現在、十種神宝は石上神社にはありません。

ある学者は石上神社に埋まってるとされていますが、一般的には石上神社には無いことになっています。

 

ではどこにあるか。

大阪平野区の式内盾原神社にあるとされています。

式内盾原神社には、十種神宝が来た経緯をこう記しています。

 

織田信長が石上神社を焼き討ちした際に十種神宝が持ち出される

秀吉が保護し、生魂の森に奉納

大規模な伊勢参りであるお蔭参りのどさくさで、生魂の森から持ち出される

小道具屋に売られてるところを小林さんが購入

小林さんが浅井さんに譲渡

浅井さんが式内盾原神社へ奉納

 

そして石上神社から返還依頼があっても返さず、現在は式内盾原神社にあると一般的には言われています。

 

どこまで本当かはわかりませんが、ロマンある話ですね。