神道的生活〜神道とは生きることと見つけたり

神道とは、人生を充実させることと見つけたり

心も脳を育てるための、寺子屋流「年齢に応じた教育論」

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子供の成長段階に応じて、教育の仕方を変えなくてはいけないと考えられていますね。

問題はそれが共通認識として、文化の中で生きているかということ。

 

例えば、1700年代を生きたルソーは『エミール』という教育書の中で、子供の成長・発達段階によってどのように教育を変えていくべきかを述べています。

 

これを教育史では「子供の発見」といい、これまでは成長段階によって教育をどう変えるかという概念が体系化していなかったのです。

 

 

そしてルソーと同じ時代の日本は江戸時代。

江戸時代の日本でも、寺子屋によって成長段階に応じた教育についてある種の体系化がなされていたのです。

 

今回は、日本人が積み上げてきた成長・発達段階に応じた教育の仕方をご紹介します!!

 

日本の寺子屋では、こうやって成長段階に応じた教育をしていた!

 

三つ心、六つ躾、九つ言葉、文十二、理十五で末決まる。

 

日本教育史資料』によると、江戸時代の日本には寺子屋という私塾が全国に1万2000件あったということです。

その寺子屋での教育哲学として、「三つ心、六つ躾、九つ言葉、文十二、理十五で末決まる。」というものがあります。

 

これはルソーの『エミール』と同じように、人間の発達段階に応じて、各ステージでどう教育をしていくかを表しています。

 

今回はこの内容を詳しく見ていきたいと思います。

 

3歳までは心をつくること

日本の教育の理念には、「知識や思考」「心」「身体」が密接に関係し合って人は能力を伸ばしていくという考え方があります。

武道でいう「心・技・体」ですね。

 

3歳までの教育では、まずは心の土台・基礎を作ることとされています。

 

心や精神を一番先に作っておくということから、「心・知・体」の中では心が重要視されているということが分かりますね。

 

6歳までは人間関係を教えること

自分の身の回りの人間関係を理解し、見つめる時期です。

 

3歳を過ぎると、自他の区別がついて来ます。

この世界には、自分以外にも他の人間がいて、考え方や性格がそれぞれ違うのだという事がわかって来ます。

この時期に、人間関係とはどういうものなのか、どういう風に接していけばいいのか(躾)の基礎を体得していきます。

 

9歳では師匠の言葉や社会的な心得などを

「九つ言葉」の言葉とは、言語能力のことを指しているのではありません。

 

考えの規範やモデルケースとなるような、師範や教科書の言葉を指します。

もっと実用的な考え方で言えば、商売での口癖やお客様との会話フレーズなども入ります。

 

まずはこれらを口真似できるようにし、その後に意味を咀嚼することが目標とされました。

 

文を沢山覚えて知識を身につけるというよりも、言葉を覚え理解して、その後の学習の基礎を作っていくイメージなのかなぁと、個人的には推測しています。

 

ゆとり教育が始まった時には詰め込み教育が批判されました。

ですが元となる知識がなければ、人の思考や行動、言動は根無し草のフラフラしたものになってしまいます。

 

また、ここでは社会的な立ち居振る舞いやマナーなどを体得する時期でもありました。

 

12歳にはある程度の下積み仕事ができるようにする

12歳では、簡単な実務の手伝いができるレベルを目指します。

 

好奇心が出てきて、勉強が何のために必要か、有用性を学ぶ時期

ルソー『エミール』要約

引用元:【エミール】ルソーの教育思想、教育目的、名言のまとめ | ガンガンいこうぜ

 

ルソーのエミールにもあるように、学問と実務を結びつけていく時期になります。

 

15歳には仕事の流れやつながらなどの「仕組み」がわかるように

15歳になったら、自分の就いている職業の全体像がわかるようにならなければいけません。

ひとつひとつの作業が、すべてシステムでつながっていることを理解するイメージです。

 

いわゆる、職場での「戦力」になるのと同義ですね。

 

寺子屋は実務ができる人を目指しているが、唯物論的ではない

 

寺子屋は、親の仕事を完全に遂行できる、実務型の人間の育成を目指していました。

上記の教育方針をみて「社会に出るの早くない?」という観もありますが、それも当時は一人でも多くの働き手を作らなくてはいけない情勢ではしょうがない事なのです。

 

一刻も早く戦力を作らなくてはいけないニーズの中でも「実務だけできる機械人間」にしなかったのが、寺子屋の功績であったと思います。

 

「心・知・体」+実務能力という、全人間教育の原点が伝統として寺子屋に根付いていたのです。